スーパーヒーロー戦記を見ました ネタバレあり感想
スーパーヒーロー戦記見たので感想です。タイトルにもある通りネタバレありで書いていくので注意してください。
大体のあらすじ
新たなる小説のネタに悩む仮面ライダーセイバーこと神山飛羽真。そんな飛羽真たちの前に「ファンタジック本屋かみやま」には仕入れた覚えのない本、「機界戦隊ゼンカイジャー」が現れる。
本を読み始めた飛羽真たちは突如本から放たれる光に包まれ、気が付くと知らぬ場所に飛ばされていた。
そこはなんと読んでいた本である「機界戦隊ゼンカイジャー」の世界だった。
そして時を同じくして、機界戦隊ゼンカイジャーの主人公である五色田介斗たちもまた、別の世界、「仮面ライダーセイバー」の世界に飛ばされていたのだった。
それぞれの物語が交わり、スーパーヒーロー戦記の物語が幕を開ける。
1年開けて久しぶりに見る『祭り』の空気
春映画が超スーパーヒーロー大戦で(一応)終わりを迎え、そしてコロナ禍の結果拝むことが出来なかった東映ヒーローのお祭りが夏に帰ってきた作品である「スーパーヒーロー戦記」
久しぶりに見てコレコレ~!!!!!!!!という盛り上がりと同時に「めちゃくちゃ疲れた」という感覚がどっとくる良い作品だったと思う。
まず(こういう評価はどうかと思うけど)想像以上に丁寧だなーと前半は感じた。前半は。
ジュランと飛羽真たちの絡みも見てて楽しかったし、またこういうお祭り的状況に全然慣れてない倫太郎と介斗の絡みも個人的には良かったなと思う。もっともっと見ていたいくらいだった。(カーレンジャーの世界に飛ばされたケントもどうなってるか見たかったな…)
見てる最中はキラメイブルーである時雨やシンケングリーンである谷千明、他にも出来る限りオリジナルキャスト(というか声優だけど)を揃えている上に結構キャラの置き方も楽しくてテンションが上がった。
まぁ自分の中の「最低限」がもはや超スーパーヒーロー大戦の北岡というマイナスに振り切れまくってる存在なので、この程度でも喜べちゃうというのはちょっと問題があるのかもしれないけどまぁ…いいでしょ…。
あと西遊記パートで三蔵一行に使命を与える仏様役として登場するオーマジオウとか、なんかホンワカしたしめちゃくちゃ面白かった。
オーマジオウ、またこんな感じで雑に仕事を選ばずに登場してほしいね…。むしろ電王組との絡みすら見たい。ソウゴも好き勝手出てきてほしくなる。なんだかんだ無双するグランドジオウはカッコイイなぁー!ってなった。
電王組はもうめちゃくちゃ相変わらず。プリティー電王から引き続き存在感の衰えなさを見せてくれた。春に彩りを与えてくれる恒例キャラ。(春じゃないけど)
あとゼロワンもクロスオーバーで登場して戦隊とかとも絡むのがマジでうれしかった。ゼロワンはそういう作品にコロナ禍の憂き目で恵まれなかったので、セイバーと一緒に戦ってる絵面だけでも個人的には感無量である。
ただ今作はメインシナリオにおいて重要なキャラとしてセイバーの主人公である神山飛羽真が配置されていたので、思ったよりクロスオーバー部分は少なめだったかも…とか後から思っちゃうのは後半の『スーパー春』な絵面とかリバイスのせいかもしれない。
でもテレビの方である程度そこはカバーしてくれてるという感じだしまぁ求めすぎるほどではないですね。
春の絵面
物語の神である石ノ森章太郎少年(敬称略)を利用し、ヒーローたちの存在を消そうとしていたアスモデウス。
それに対して、新たな「スーパーヒーロー戦記」の物語を書くことによってヒーローたちを復活させた神山飛羽真と石ノ森章太郎少年によってアスモデウスとの最終決戦が始まる。
もう後半の絵面は『完全に春』。
採石場。1号やアカレンジャーから生えてきて大量に揃うヒーローたち。ダバダバ走っていく絵面。
見てて頭が疲れてくる。しかしこの程度で疲れているとこの後が更に疲れる。
ダバダバとそこら中で戦うヒーローたちの上に今回はタイトルロゴが表示され、ヒーローたちをわかりやすく提示してくれるのだ。ゲームの自機表示かよ?とか思わされる絵面でクラクラする。
更にヒーローたちが各々の作品を代表するセリフをベラベラ喋る。 …が、めっちゃSEや爆音やBGMや絵面のせいで全然集中できない。チョイスがめちゃくちゃ雑なので全然状況にあってないことをしゃべりまくる。まぁこの程度は戦隊ライダー見てきた人なら慣れてますよね!(いいのかなぁそれで)
あと代役なので(しょうがないけど)全然似てねえ!!!!!!みたいになるあたりもお祭りの御愛嬌である。
ラストの戦闘はさながら爆音のパチンコ屋の演出を大音量で聞かされてるみたいな感じですごかった。なんか久しぶりに映画を見たせいもあってか、こんなに映画見て疲れたのも久しぶりという感じである。
まさに映画館でこそ味わえる体験。家でお祭り系を見ててはこうはならないだろう。皆さんもぜひ映画館で。(なんか8月からコメンタリー聴きながら映画見れるらしいですし。)
今作品のテーマについて
今作で敵であるアスモデウスによって呼び出された石ノ森章太郎少年は、実際にヒーローたちをその目で見せられて、ヒーローを描くことの意義に悩み、そして創作意欲を最終的に見失ってしまう。
同じく「自身が創作をするということは、作中のキャラクターたちを苦しめることになる」という矛盾に悩んでいた飛羽真は、章太郎少年に「君が描くヒーローは正義の側面も悪の側面も持ち合わせる存在であり、人間を描こうとしているのだ」と語る。
悩み、苦しみ、自身の物語に自分自身で結末を選び抜こうとする姿、それこそがヒーローという『人間』の姿なのだ。
この部分は仮面ライダーセイバーにおいても一貫しているテーマといえる。仮面ライダーセイバーは作中で何度も何度もやってる通り、自身の運命を自分自身が決めて新たな未来に進むことが1つのテーマだ。
セイバーが始まった頃からこのへんのテーマとはかみ合わせがいいよなぁとは思っていたが、そこを気持ちよく映画として提示してくれたのは結構個人的にうれしかったなと思う。
そして作中では更に踏み込んでアスモデウスが「お前たちは所詮二次創作であり、テーマの焼き直しをしているに過ぎない。オワコンなのだ!」と叫んでくる。
公式のこういう作品でオワコンって言葉初めて聞いた…みたいになってめちゃくちゃ面白かったが、それに対して「キャラクターや物語が作者の手を離れ、時代を超えて愛されるということ」についても踏み込みアスモデウスの言葉を否定する章太郎少年。
幼稚で無意味なものであれば、ここまで続いてるわけがない!と叫ぶのはちょっとこの戦隊やライダーのシリーズが出してくるやつとしては説得力がありすぎてずるいな~!とすらなる。
同時にこの作品自体も、ある意味かつての春映画のテーマの焼き直し的にも捉えらると感じるが、同時にだからこそ次の世代に新たな形でそういったテーマを伝える役割でもあるのかなぁと思えた。
その瞬間瞬間の物語の力を肯定し、その世代に送り出すのはきっとその瞬間瞬間を生きるコンテンツなのだろうと思う。
そういう意味で戦隊の歴史を肯定するゼンカイジャーと物語の力を肯定し、自分たちの運命を自身で決めていくことをテーマにするセイバーが同じ時代に今出会えた仲間なのは面白いめぐりあわせだったと言えるかもしれない。
あとこんなめちゃくちゃデカイ大役を任された鈴木福君お疲れ様でした。
仮面ライダーリバイス
さて映画が終わったのでトイレに行こう!と思ったらアスモデウスにとどめを刺すために現れた新ライダーリバイスが映画終了後に特別編が始まってびっくりした。
トイレに行きたいんじゃが…… という思いとは裏腹に思ったより長い。
まず印象的だったところだとスタンプのギミック。スタンプって今は割とありふれた概念ではあるが、LINEとかの絵を張るやつも「スタンプ」だったりと思ったより色々あるもんだなぁとか思ったりした。
特別編だと助けたおっさんが悪魔にそそのかされてスタンプで別の悪魔と契約して敵となるという流れだったが、本編もこんな感じで進むとしたらどっかの怪物ばっかり出て事件が起こる治安の悪い街みたいになりそうだね… とか思ったりした。
後相棒キャラであるバイスはどうやら視聴者に対して語り掛けるような動きが多いようだ。そういった要素が本編で活かされるのかはわからないが、どう転がしていくか特徴的な部分となるだろう。
よしリバイス終わったしトイレ……って思ったらそのあともリバイスがなんか出てきたので俺の中でリバイスがトイレを邪魔するやつみたいになりかけていた。
9月にまた会おうぜ!
ところでセイバーとゼンカイについてはもう個別映画はやらないのか、それともゼロワンとかみたいに後でやるのですかね。なんだかんだがんばってコンテンツ全体を盛り上げてる現状がすごく楽しいので、今後もニチアサコンテンツには期待してます。