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2023年冬クールは誰が統べるのか おすすめのアニメを紹介

 2023年冬アニメも始まって3話ほどに差し掛かり、多くのアニメ視聴者の大方の見るアニメも決まってきている頃かもしれない。

 少し遅いかもしれないがそれぞれの今期注目アニメを羅列し、冬アニメを統べるアニメをチェックしていきたい。

 

お兄ちゃんはおしまい!

 お兄ちゃんはおしまい!はスタジオバインドがアニメーション制作の、同人作品から書籍化に至った漫画原作のアニメ化作品。(現在は月間ComicREX等で連載中)

 妹に薬を飲まされ、女の子になってしまった主人公「緒山まひろ」を主役にしたコメディ作品。

 このアニメの特筆すべきポイントの一つはコメディを輝かせるアニメーションのクオリティの高さ。

 監督はGo!プリンセスプリキュアでの戦闘シーンやアニメぱすてるメモリーズのED等で評判になった、無職転生でアクション監修として活躍したアニメーターである藤井慎吾監督。

 そのほかにも様々な仕事で非常に評価が高いので藤井慎吾監督の様々な仕事を個別に追いかけてみるのもおすすめだ。

 そしてキャラクターデザインは化物語など、シャフトの印象深い仕事で活躍した今村亮さん。

 これらのスタッフが全力で取り組むアニメーションとテンポよく繰り出される映像が作品の魅力を確実なものにしているのは言うまでもないだろう。

 そしておにまい!本作の最大の魅力はやはり「TS(トランスセクシャル)」というギミックと「兄妹」の関係性により描かれるストーリーだ。

 兄であるまひろは完璧すぎる妹に対してのコンプレックスを抱えた結果として現在の引きこもりとしての人物形成が為され、それに対して妹は兄に対する羨望から兄を引き離す天才として成長しているアンバランスさ。

 ここのバランスに対して「兄がかわいい女の子となる」というTSという要素によってお互いの関係性を1からやり直しお互いのアイデンティティが段々と解体されていく構造となっている。

 兄としてのアイデンティティの解体と兄妹の関係性を再構築。二人の関係の向かう先が気になるアニメとして注目だ。

 

 

 

 

 ところでTSにおける女性への性転換といえば男性しかできない男らしい行為といえるが、男らしいといえば、2023年冬アニメの一つである「冰剣の魔術師が世界を統べる」である。

 冰剣の魔術師が世界を統べるでは男らしいバルクを持った主人公、「レイ・ホワイト」が活躍する2023年でも注目のアニメだ。

 おにまいと繋がる部分があるこの作品にもぜひ注目してほしい。

 

アルスの巨獣

 アルスの巨獣DMM.comと旭プロダクションが企画したアニメで、人類よりはるかに巨大な力と巨体を持つ「巨獣」が蔓延る世界を舞台に、主人公の「クウミ」と巨獣狩りの「ジイロ」が出会い、冒険が始まるファンタジーアニメ。

 アルスの巨獣の注目のポイントはまず非常に綿密に描かれる世界観描写だ。作中のキャラクターたちにはそれぞれ文化や生活が存在することを示唆する食事の前の彼ら独特の祈りをささげるシーンや、巨獣を狩ることで生活をしていることを示唆する街の生活構造や狩りの様子が細かくアニメーションで描かれる。

 ファンタジー作品としてこのあたりが丁寧なのは魅力として大きく、世界観が1話1話描かれていくだけで一つのワクワク感が生まれる。

 そしてそれに伴って描かれるストーリー面はオーソドックスながらも軽快に描かれるボーイズミーツガール的な側面を持つ構造であり、「ナギモリ」と「カンナギ」という作中における重要な要素を持つ二人がそれぞれどのように物語が巡っていくか注目だ。

 またアルスの巨獣を制作している旭プロダクションは基本的に多くのアニメ会社の撮影業を担うことが多いアニメ会社であり、そういった点からも今回旭プロダクションとしては珍しく元請けでアニメを作っているうえでの撮影効果の点も注目できるポイントかもしれない。

 

 

 ところでファンタジー描写といえば「冰剣の魔術師が世界を統べる」も注目だ。

 冰剣の魔術師が世界を統べるの世界観では魔術体系が脳から発露する能力であることが示されており、その結果プログラミングのように魔術を組み合わせる形で利用するものとなっている。

 魔術の説明もアニメ作中で事細かく説明してくれるので、ぜひアニメ本編をチェックして冰剣の世界観を統べてほしい。

HIGH CARD

 HIGH CARDスタジオ雲雀がアニメーション制作しているメディアミックスコンテンツで、異能力を与えるカード「エクスプレイングカード」を回収するために戦う「ハイカード」の活躍を描く異能力バトルモノスタイリッシュアニメだ。

 原作に「ビルディバイド」のアニメ等でも好評を受けた賭ケグルイの原作者河本ほむら、武野光のコンビが企画に参加している。

 売り文句のようにスタイリッシュな世界観と作風、そして「賭け」が一つのテーマ性に食い込むストーリーがポイント。

 主人公のフィン・オールドマンはポーカーにおける最弱の札であるスペードの2のエクスプレイングカードのプレイヤーであり、そんな彼が如何にして物語で異能力を「賭けて」活かせるかが作品の注目部分だ。

 また参加しているアニメーター等が非常に豪華な部分も注目。アクション作画監督としてSAKUGAN等で活躍した望月俊平さんと、アクションアニメーターとして言わずもがなのベテラン、羽山淳一さんがタッグを組む。

 エフェクト作画監督にもベテラン橋本敬史さんが担当し、作中のアニメーションに関しては確実な期待値を持っていい作品と言えるだろう。

 個人的にはEDの映像が非常に良いのでおすすめだ。

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 ところでアクションと言えば「冰剣の魔術師が世界を統べる」だ。

 冰剣の魔術師が世界を統べるでも非常に魅力的なアクションが楽しめる。主人公のレイ・ホワイトが元軍人のようなキャラクター故の描かれ方だ。

 このようにアニメで描かれるアクションシーンにも注目していくことでよりアニメーションからキャラクターやストーリーを楽しめるだろう。

 

テクノロイド オーバーマインド

 テクノロイドOVERMIND動画工房がアニメーション制作のメディアミックスコンテンツであり、大規模な気候変動によって外出などにリスクが生まれるようになった世界観で、主人公のアンドロイドたちがアイドル活動を通して様々な人物と出会い成長していくと共に、その裏にある謎がひも解かれるストーリーとなっている。

 テクノロイドの魅力としてはライブアニメとしての完成度だ。主役グループである「KNoCC」が他者と出会いそのめぐり逢いからくる物語がある程度1話完結のうえでその物語がライブに繋がり着地するというオーソドックスながら王道のライブアニメの構成としてよく出来ている。

 また、テクノロイドの魅力はこれらのライブアニメとしての構造に加えて描かれるSF的な物語要素であり、「アンドロイドによる事件」や「気候変動により上昇した海面」等の世界観的部分が小出しにされ描かれることで作中世界におけるアンドロイドが必要になった理由もうっすらと見えてくる。

 そしてアンドロイドを人類がどのように受け止めているかも描かれ、それに伴って主役のアンドロイドたちが如何なる存在なのかも掘り下げられていく。

 監督のイムガヒ監督はサンライズ系列で活躍したアニメ監督であり、近年ではククルスドアンの島の副監督を務めていたのが印象的。

 様々な面で今後も眼を離せない一作といえるだろう。

 

 

 ところでSF的要素といえば「冰剣の魔術師が世界を統べる」も見逃せない。

 先ほども説明した通り冰剣の世界観では魔術の世界観設定がプログラミングのように描かれ、SF的な面も持ち合わせているといえるだろう。

 そんな魔術を悪用するために暗躍する敵と戦う対立構造も冰剣の魔術師が世界を統べるのストーリーの注目ポイントだ。

 

トモちゃんは女の子!

 トモちゃんは女の子!は主人公の相沢智が、好意を寄せる相手である幼なじみの久保田淳一郎に女の子扱いしてもらえないことを中心に転がるラブコメディ作品である。

 しかしこの作品の面白いところは一見普通の鈍感系ラブコメディを最初は装っているところにある。よくある鈍感系の主人公のように見える淳一郎だが、その裏腹に淳一郎には明らかに相沢智の好意に気づいている素振りがあり、そしてそれを元に見ていくと彼の智ちゃんに対する複雑な感情が見えてくる。

 つまりこの作品のポイントは「鈍感ラブコメディ」という形式をメタ的に利用した複雑な人間関係をひも解くドラマ部分なのだ。

 原作のトモちゃんは女の子!をアニメに落とし込むにあたって、アニメは非常にこの淳一郎目線より智ちゃん目線を優先し、淳一郎の要素を視聴者が客観的にひも解く構造をしていると言える。

 もしアニメを少し触れて興味を持った人はぜひ原作もチェックしてほしい。

 

 

 原作の落とし込みといえば「冰剣の魔術師が世界を統べる」も非常に興味深い形に落とし込んでいるアニメだ。

 冰剣の魔術師が世界を統べるのアニメの作中描写、演出をたどると、実は原作の描写をアニメ向けに落とし込んだ結果として出力されていることがわかる。

 冰剣の魔術師が世界を統べるはアニメ、漫画版でそれぞれ原作解釈が異なっており、漫画版が独自のアレンジ色を強くしてテンポよく描かれる少年漫画的な作品に仕上げているのに対して 原作を再解釈し、主人公のレイ・ホワイトを天然が入ったキャラとして解釈したオリジナルシーンを加えるなどの工夫が凝らされている。

 冰剣の魔術師が世界を統べるに興味を持った人はぜひ、原作や漫画版も手に取ってそれぞれの媒体の違いを楽しんでいただきたい。

 

もういっぽん!

 もういっぽん!はBAKKEN RECORDが制作する週刊少年チャンピオン連載中の漫画作品をアニメ化したものであり、主人公の園田未知が中学の頃にやっていた柔道にもう一度高校生活でかつて大会で出会った相手との再会等を通じてのめり込む、柔道部での活動を描く作品。

 この作品の魅力的なポイント、それはテーマとなる「一本勝ち」の気持ちよさをアニメーションで実際に提示できているところだ。

 柔道という競技の気持ちよさというのを柔道に興味がない人にも共有することを映像を通して行い、そしてそれにのめりこむ主人公の感情も構造的に提示されている。

 学園生活などでの群像劇としてのキャラクター描写も柔道の描写と合わさり、青春を絡めたスポーツものとして魅力的なものとなっている。

 あまり柔道に興味がない人でも触れやすい作品となっていると感じられる作品であるので、ぜひ一度触れてみて欲しい。

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 ところで学園生活と青春といえばそう、「冰剣の魔術師が世界を統べる」もそういった側面を持ち合わせている。

 冰剣の魔術師が世界を統べるでは学園生活とは離れた人生を送っていた主人公、レイ・ホワイトが学校の仲間や生徒たちと交流することで今まで経験できなかった人間関係を築いていくのもこの作品の魅力の一つだ。



 

 いかがだっただろうか?見てないアニメがあればぜひこの記事も活用して様々なアニメに触れる一助になれれば幸いである。

 そして今期のアニメを統べるのが一体だれなのか、是非注目していってほしい。