見てきました実写版嘘喰い。
すごい楽しみにしていた実写版で、なんだかんだ映画としてはちゃんとした映画で安心しつつ感想を書いていきます。
そんなにネタバレになって困る部分がある映画な気もしないのですが、ネタバレが嫌な人は気を付けてください。
- この映画の魅力は…萌え!
- 実写版嘘喰いの原作と全く違うポイント、佐田国一輝
- 良くも悪くも「アク」が抜かれている
- 映画嘘喰い 明確によくなかった部分
- ストーリーの再構成部分について
- でもやっぱり原作が好き
この映画の魅力は…萌え!
「嘘喰い」はギャンブルを題材とした作品であり、主人公の「斑目獏」が様々な強敵とのイカサマ暴力なんでもありのギャンブルに勝利し、巨大組織「賭郎(かけろう)」のトップであるお屋形様への勝利 通称「屋形越え」を目指す作品である。
「嘘喰い」の魅力といえばギャンブルにおける高度な騙し合いによる駆け引き。命を賭けるギャンブルに身を投じる主人公の獏さんのミステリアスかつ危険な魅力。
そして嘘喰いに欠かせない要素といえば「立会人」や多くのキャラクターたちが織り成す「暴」のバトル。
多角的かつ独特の魅力を持つ漫画、それが「嘘喰い」。
そして今回、その実写化映画である映画版「嘘喰い」であるが、
まず大きな差異であり、映画独自の魅力。それは横浜流星君が演じる斑目獏がめちゃくちゃかわいいことである。
原作の獏さんもかわいいところはあれど、基本的には危険な香りを漂わせるギャンブラーであるが、映画の獏さんはとにかく柔和で気のいい人という感触である。
賭け事もとにかくキャッキャと楽しんでいる感じで、ある意味これはこれで非常に魅力的な青年といえるキャラクター性といえる。
ただまあ「獏さん」っぽいか?と言われると… となるが待ってほしい。 とにかく実際に映画を見るとめちゃくちゃにかわいいし とにかく良い人オーラがすごい。
こんな人に「今から一緒にギャンブルいかね?w」と言われたら…俺も楽しくいってしまうかも… そんな確かに「付いていきたくなる人物」の魅力が横浜流星獏さんにはあるのだ。
そして原作でも「萌えキャラ」と言えば欠かせないのが相棒キャラこと梶隆臣 通称梶くん。
梶君に関してはキャスティングされた佐野勇斗君が「完璧」である。もうこれ梶くんじゃない?ってくらいは梶くん。
ただこっちも梶くんの良さを引き出しすぎて完全に「萌え萌え」になっている。 なんだこのかわいい生き物?
そして実写映画版嘘喰いの魅力はこの二人の「絡み」によってかわいさが完成される。 二人がギャンブルに勝利し、シャァ!イェイ!みたいな感じで喜んでいるだけでめちゃくちゃにかわいい。
原作と比較して獏さんがすごくフレンドリーでいい人なので、この二人の絡みが異常に可愛くなっているのだ。
更に更に、ギャンブルを取り仕切る賄郎から派遣され、獏さんたちの勝負の立会人となる夜行妃古壱 通称夜行さんのキャスティングもかなりいい感じだ。
いい感じなのだがすごくちゃんと再現してくれてるせいかものすごく毛がフワフワしている。ヒゲもフワフワしていてとてもかわいい。
原作でも見せてくれるような柔和かつカッコイイ態度がしっかり再現されているのだが、おかげでもうフワフワ髭のかわいいおじちゃんがとてもかわいい。
そんな夜行さんが獏さんの勝利宣言をして、獏さんと梶くんが一緒に喜ぶシーンなんて画面全部がかわいいもので埋まっている感じがする。
当然原作にも登場するマルコ(ロデム)も登場する。 マルコもかなりキャスティングがいい感じだ。そうそう、マルコってこんな感じだよねっていう。
そして原作を知ってる人なら当然知ってると思うがマルコも例に漏れず萌えキャラだ。 マルコはなんと原作にはない萌えシーンが入ってくる。もうなんかみんなで一緒にご飯を食べるシーンはめちゃくちゃかわいすぎてヤバイ。
そしてここは賛否両論ありそうな鞍馬蘭子。
そう!嘘喰いといえば…ヒロインの鞍馬蘭子でありまする! なわけはないだろ!!!!!
って原作ファンはなれる実写版で活躍シーンが増えている鞍馬蘭子である。(鞍馬蘭子がヒロインってマジかよってなる。俺もなる。)
鞍馬蘭子のシーンはとにかく「頼む…!変な方向に話が転がらないでくれ…!」と祈ることになるのだが、とりあえず映画では基本的に梶くんルートにいくので安心。
ただ蘭子もこれはこれでかわいいキャラに仕上がっている。もうなんか蘭子も加わってご飯を食べてるシーンはあまりにもかわいい。まぁ映画ではそこまで邪魔ではなかったので自分としてはアリではある。
原作はこんなかわいい感触ではないはずなのだけど、ある意味原作を知っているからこそ余計に来る「かわいさ」の良さがある。それが実写版嘘喰いの良さなのだ。
実写版嘘喰いの原作と全く違うポイント、佐田国一輝
恐らく実写映画の前情報でもわかる通り、最もわかりやすく別人となっているキャラが、三浦翔平演じる佐田国一輝だ。
原作だと本当にとにかく過激な愛国テロリストであり、見た目通り危険なやつといった感じである。
そんな佐田国は要するに「命を賭けるギャンブル」での相手として作中で向き合うキャラクターとしては「国の為ならば命は安い」とする「ギャンブルのためならば命を厭わない」とする獏さんと対比的に描かれる。
だからこそ、逆に表面的なキャラクター性とは裏腹に割と姑息な手が目立つというか、ある意味底の浅さが最終的に露呈するあたりが魅力的なキャラクターである。
それと対比して、映画の佐田国は実写版嘘喰いにおけるもう一人の主人公というべきか、しっかりとした「敵」としてラインが立てられている。
そして内情について語られるとなんだかんだ良い人みたいな感じであり、それなりに最終的に良いオチを貰える。
死に方も含めて本当に原作の佐田国とは明確に別モノだ。
ここは原作ファンとしてはやはり、「あのものすごくすっきりする佐田国の負け方も見たかった!」という気持ちは非常にあるし、そういった部分においては原作の「嘘喰い」における重要なラインである「命を賭ける危険なギャンブル」が映画では強く押し出されてないとも言える。
しかし、割と映画の佐田国も「まあこれはこれとして、ええんでない?」くらいになれるキャラ性をしている。
まあそもそも佐田国っていうキャラクター自体、そこまで要素を盛られたりしても大して困らないキャラというのもある。
良くも悪くも「アク」が抜かれている実写版嘘喰いの代表的なキャラクター。それが実写版佐田国一輝だといえるだろう。
良くも悪くも「アク」が抜かれている
ここまで語ってきて言えること、それは実写版嘘喰いはものすごーく「見やすい」作品だということだ。
キャラクターのクセが非常に原作より柔らかくなっており、損なわれてはいないものの確実に味付けは別物となっている。
そして映画自体のテンポが結構良いのですらすら見れる。 原作の嘘喰いはとても面白い作品であるが、ある意味ものすごくアクが強い作品だ。
故に、映画でそのアクが抜かれているというのは非常に賛否両論分かれるポイントと言えるだろう。
特に先ほども述べた「命を賭けるギャンブルとしてのキャラクター対比」が弱まっているのは、この映画の良いところであり悪いところだ。
嘘喰いの良さとは常に命を失う恐ろしさと裏腹に存在するスリルであり、だからこそそこに向かっていく獏さんの魅力が強まる。
映画ではしっかり命の駆け引き自体はあるものの、そこが重要視されてるかというと個人的には微妙なラインだ。
しかしだからこそ映画の獏さんは獏さんで魅力的な部分があり、ここは一長一短と言える。
誰にでも楽しみやすい、親しみやすい嘘喰い。良いか悪いかはあなた次第。
映画嘘喰い 明確によくなかった部分
個人的には実写嘘喰いには概ね満足なのだが、ここだけは不満があると語っておかねばならない。
それはとにかく「明らかに金がない!!!!!!!!!!!!!」
ということである。金が 金がない。 金が足りてない!
映像や演出、俳優の人たちにもかなりやる気が見受けられる。しかしそれでは隠し通せない安さがだいぶある。
ちょいちょい「うぉっ!画面が安い!」となってしまうのだが、みんなが頑張っているおかげでギリギリ見れるみたいな感触だ。
ロデムの戦闘シーンなんてめちゃくちゃ安い。安すぎてかわいい。でもすごい頑張ってる。 正直受け入れてあげたい。でもこれでドティ編の戦闘とかはあんまりやってほしくない。
そんな感じである。
しかし逆に言えばとにかく金が足りなそうなのをものすごいがんばってカバーしている映画とも言える。戦闘もかなり頑張っている。 ちゃんと映画でも存在している立会人の戦闘にはそれなりに満足できるアクションの良さがあった。
しかしながら明らかにそこに金をかけるような余裕があるような感じがあるとは言えない。
もし続編があるならばもっと予算を上げてほしいところであるが、逆に言えば嘘喰い前半の前半を映画化したからこそ このくらいの予算で映画化できたとも言えるかもしれない。
ストーリーの再構成部分について
実写映画において、漫画原作のストーリー再構成はつきものだ。嘘喰い実写版も前述の鞍馬蘭子を筆頭にだいぶ再構成されている。
カットされてる部分も多く、故に「命を賭けたやり取り」という過激でアクの強い原作の要素は弱まっているといえるだろう。
しかしながら、個人的には非常に評価できる再構成ではあったと思う。ちゃんと出ているキャラクター同士が絡み合い、最終的なギャンブル勝負に繋がってくる。(この時点ではあまり役割がまだないマルコは仕方ないのだが)
序盤のビル脱出勝負なんかは森での勝負になっているのだが、正直ハッタリ度合いとしては原作もこの程度はよくやりそうなやつと言えるだろう。
また、ロデム(マルコ)が森で飼われているような扱いなのも、それなりに納得感がある。
全体的な構成自体はそこまで変わってない、故に誰でも見やすいお手軽嘘喰いみたいな感じになっている。
原作嘘喰いを読んだ人ならそれなりに関心できる作りとなっているだろう。
逆に言えば「死と隣り合わせのギャンブル」という文脈部分については原作特有の良さとなり、映画から入ったファンは原作を違った形で楽しめるかもしれない。
まあ割と手堅い実写化というのが個人的な評価だ。
しかし佐田国の話については好みがわかれるだろう。言うなればよくいうところの「人間ドラマ」的要素として佐田国は再構成されている。
しかし言うほどこの映画単体では佐田国の要素はノイジーとも言い辛い。 原作ファンとしては佐田国のキャラ性が変化して残念というくらいである。
また、とにかくやはりこの映画はテンポがいい。全然ストレスがない。話がポンポン進む。
ここは再構成された結果として良かった部分であり、無理せずにストーリーを回したのが良い結果となった部分といえる。映画を見たときは本当にすがすがしい気分で終われたところはあった。
でもやっぱり原作が好き
実写版を結構満足したぜ!とは語りながらも、やっぱり嘘喰いにおける大事なエピソードの多くが欠けているのは認めざるを得ないのが実写版だ。(映画なので尺的にもテンポ的にも仕方がないことであるが、それが許せない人も当然いるだろう。)
実写版で仮に原作読者が増えるならばそれは本当に素晴らしいことである。
是非、是非原作を読んでもらいたい。
おっ… なんと原作嘘喰いが2022年2月20日まで隣のヤングジャンプで10巻分読めちゃうらしいぞ!!!
嘘喰いと賭郎立会人 (ヤングジャンプコミックス) | 迫 稔雄 |本 | 通販 | Amazon
しかも「嘘喰いと立会人」なるスピンオフまで最近発売しているらしい。
更に嘘喰い原作者が現在連載中の漫画、「バトゥーキ」も2022年2月20日まで11巻分無料だ!
さぁみんなも読もう嘘喰い!
ということで宣伝でした。 良い映画でした。