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2023年 個人的アニメ単話10選

 2023年の個人的に良かったアニメの1話単体で選んだベストになってます。

 

テクノロイド オーバーマインド 12話 

 脚本:関根アユミ コンテ:岡宗次郎 演出:イムガヒ

「もし何にも縛られずに、自分の心のまま生きられるとしたらみんなは何をしたい? それが『自由』だよ。」

 

 人間とAIアンドロイドの心の成長が描かれるソーシャルゲーム原作のメディアミックス作品。

 12話かけて積み重ねられたKNoCC(ノックス)の成長が文脈として載せられたライブ、そして人間とAIがそれぞれ絡まって描かれたストーリーの着地が描かれる1クールでの構成の気持ちよさが強い回。

 特に一番好きなのがアンドロイドたちが心を認められる代わりに『寿命』が設定された結果として、主人公であるエソラがアンドロイドの家族たちであるKNoCCに、自分たちのやりたいことを決まった寿命の間に自由に選んでほしいという選択をする最後。

 そのうえでエンディングでそれぞれのメンツが自分たちのやりたかったことを選んでやっているのかなと感じられる演出が非常に心に強く響く。

 1クール、そして1話単体での完成度が見事な回だと思う。

 

トモちゃんは女の子! 10話『勝負の行方』『親友でいるために……』 

 脚本:西谷一希 コンテ:三條なみみ 演出:水本葉月

「俺たちは変わらないと思ってた。変わらないのがいいんだって。 けど、俺は変わっちまった… たぶんアイツも。なら考えるしかないだろ。それでもアイツと一緒にいられる方法を。」

 

 すれ違いラブコメとして主人公である淳一郎が自分たちがかつてから変わったことを受け止め、それと向き合うことを心に決める回。

 そういったボーイッシュなヒロインを男子と勘違いしている「すれ違いラブコメ」の構造を踏まえて、「男子と勘違いしているラブコメからもう一歩踏み込む作品」という特殊性を持つ作品でのストーリーにおいて、大事な要素である様々なポイントや変化、そして変わらないものの再確認が明確に訪れる構成からの淳一郎目線の特殊エンディングが非常に強い演出となっている。

 現在から過去、過去から現在という1話での構成が非常に強い単体話としてチョイスした。

 

アリス・ギア・アイギスExpasion 5話「恐怖のハイキング!?/戦えヴェイパーヘイズ!?」

脚本:杉原研二 コンテ:山田浩之 演出:佐藤友一

「この駄肉のせいか!?おのれ!駄肉風情が!持てる者の傲慢かぁ?!」 

 

 かわいい女の子が宇宙生物と戦うSFシューティングのソーシャルゲームであるアリス・ギア・アイギスのメディアミックスアニメ作品。

 アリスギアのよくわからないテンションのイベントをそのままアニメにしたかのような回が連打されるアニメにおいて、かなりその解像度が高い回として5話をチョイス。

 「恐怖のハイキング!?」は一応この回自体がアニメオリジナル主人公である「高幡のどか」の個人的なパーソナリティである山登りが好きという要素を活かした回でもあり、またアリスギアの世界観としてコロニーに地球の環境を再現しているので本来の現実の山とは恐らく地形などが違っている特徴が活かされてる回でもある(どうしてこんなことに…)

 「戦えヴェイパーヘイズ!?」はアリスギアアイギスのキャラクターである吾妻楓についてピックアップ(?)した回で、こちらも「どうしてこんなことに…」となる回なのでおすすめ。

 またアリスギアEXというアニメにおいて印象的なもののひとつとして「BGM」も大きなものであり、BGMの使い方が非常に印象的だった意味でも5話は個人的に好きな回。

 

東京ミュウミュウにゅ~♡ 第2期 第14話 「みんとが家出!? わたくしが世界を変えますわ!」

脚本:岡田邦彦 絵コンテ:於地紘仁 演出:石山タカ明

 

「決して忘れませんわ。ここから始まるのです、わたくしのやりたいことは。」

 

 現代のSDGsをテーマに組みこんで令和に帰ってきた東京ミュウミュウである、東京ミュウミュウにゅ~。

 14話は東京ミュウミュウの一人、ミュウミントである藍沢みんとをピックアップした回。お金持ちのお嬢様であるみんとは家族の会社である藍沢グループの経営等において重要な仕事を任されないことに不服を感じ、家を飛び出して主人公である桃宮いちごの家にお泊りする。

 そしてみんとは家族に認められるために、自分の事業計画プランを実現するために兄の会社の工場に潜入し(!?) そこにあるテスト機を奪い(!?) 発電機を試作するためミュウミュウのメンツに助けを借りることとなる。

 この回は東京ミュウミュウにゅ~という作品において旧作ではなくにゅ~の独自の味を強く感じられる回となっており、特にみんとの兄との関係性やそれらを踏まえた環境問題への取り組みの描写などはミュウミュウにゅ~ならではの勢いだ。

 ストーリーとしての破天荒さは然ることながら、「自分が本当にやりたかったことを見つめなおす」という地に足の着いてるような気がするオチのギャップもこの回の独特の味を強めている。

 そして東京ミュウミュウにゅ~という作品の後半戦では藍沢グループの存在がかなり大きいものとなっており、この回はそういった描写のある種のターニングポイント的な回といって過言ではないだろう。

 にゅ~独自の味やみんとを掘り下げた回として非常に印象的であり、今年の単体エピソードに選んだ。

 

英雄教室 第5話「魔王の娘」

脚本:ハヤシナオキ 絵コンテ:川口敬一郎、高田淳 演出:吉本雅一

「いつまでこんなところで引きこもっているつもりだ?我はポンコツに勝ってもうれしくないぞ?」

 

 かつて世界を救った勇者の少年「ブレイド」が普通の一般人として生活していけるよう学園の生徒として日々を送るライトノベル作品である英雄教室。そのアニメ化作品。

 アニメは川口敬一郎監督や中野英明副監督における超ハイテンポな構造が印象的なものとなっており、毎週視聴者から「本当に30分だった?1時間くらいの内容じゃなかった?」と言われるようなアニメとなっている。

 5話は生徒の一人であるマリアというキャラクターの掘り下げと問題の解決を1話にまとめあげた回であり、マリアのキャラ紹介、抱える問題、向き合い、解決をすべて1話でやっておきながらも全く過不足を感じない回だ。(が、英雄教室というアニメはこんな回ばかりのアニメである。)

 英雄教室という作品自体がそれぞれのキャラが様々な事情を抱えながらも、ある意味当たり前の楽しい日常や学園生活を送ることを目指すような作品であり、そういったテーマ性の面でもこの回のまとまりの良さはものすごい形となっている。

 単体話数という意味では英雄教室はどの回も猛烈な完成度を誇っているが、キャラクター個人が1話で猛烈な勢いで立ち上がっていく1話として個人的に印象的だったこの回をチョイスした。

 

BanG Dream! It's MyGO!!!!! 10話「ずっと迷子」

シナリオ:後藤みどり 絵コンテ、演出:梅津朋美

「全て消えてしまったのでないのなら、戻りたい、伝えたい、許されるのなら僕はあきらめたくない!」

 

 ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!バンドリ!)」の新作アニメであり、新キャラクターたちのバンドの結成を描く作品。

 それぞれの葛藤や悩みが絡み合い、バラバラになりながらももう一度バンドとして集まる回である10話は今までのカタルシスが着地する回であり、ようやくMyGOのメンツが自分たちを見つめあうことができる回となっている。

 この回の印象的な部分はバンドリという作品がガールズバンドというテーマであり今までのアニメでやってきた演出としてのライブ演出、「ライブハウスの中」であるという部分を構成的に組み込んでいる部分であり、

観客席からバンドメンツを引っ張り上げて、そして完全に観客の方を見ないで行われるライブというのはバンドリアニメの構造だからこそ印象的に行えている演出だ。

 この1話単体でバラバラなところからの再結成、そしてライブでの着地を描いた1話の密度。単話として個人的にチョイスしたい回として非常に評価の高い回だ。

 ライブアニメが増えてきた昨今だからこそ、ライブが「ライブハウスで行われている」という部分が物語的にも強く輝いてるという意味で色々なライブアニメに興味がある人は是非見てほしい。

 

絆のアリル セカンドシーズン 20話 「~羽ばたきの行方~」

脚本:赤尾でこ コンテ:加藤もえ 演出:仲畑ひな

「必ず外に出る時が来る。その時は、次の自分の形を決めて、殻を壊すの。 じゃないと次の世界にいけないよ。」

 

 Vtunerのキズナアイから始まったプロジェクトである絆のリアルプロジェクトのアニメ作品。

 バーチャル世界で活躍する人材を育成するADENアカデミーを舞台に、バーチャルアーティストを志す少女たちを描く物語。

 絆のアリルにおいてはバーチャルで見つかる新しい自分、そして繋がったことで生まれる新しい出会い、その結果として生まれるものをテーマに描いており、絆のアリル20話は主人公であるミラクが自分自身に立ち直り見つめなおす。そして新しい自分をPathTLiveの仲間であるクオンに見せて自分の思いを伝えることを決意する回となっている。

 この回の強いところはPathTLiveのメンツが積み重ねの中でミラクのことを理解してる故の行動が光るところであり、ミラクが行うソロ曲もクリスが書き下ろしてくるなど クオンが揃っていないPathTLiveが確かにミラクを中心にしてクオンのために繋がっていることを感じられる構成になっている。

 2クール目前半がこの回にある意味結実する意味でも、1クール目の内容が積み重なったことを感じられる意味でも色々な意味で単体話として強い回としてチョイスした。

 

でこぼこ魔女の親子事情 6話「薔薇園のおしりあい事情」

脚本:たかたまさひろ コンテ:たかたまさひろ 演出:渡辺万里恵

「マジスッゲー!イケイケ超絶ビューティーじゃん!アガる~!」

 

 血の繋がらないながらも親子である魔女の師弟「アリッサ」と「ビオラ」の日々を描く作品「でこぼこ魔女の親子事情」。

 本作品はテーマとして「親子」が一貫したものとなっており、基本的にどのエピソードもドタバタとしたギャグや世界観を魅せながらも根底に親と子が存在している。

 6話の内容も親子が一つのテーマとなっており、薔薇園の妖精がかつてより見てきた家主の少女が結婚する婚約者と共に家を出ることを認めらないことを説得する回になっている。

 薔薇園の妖精を親と見立てつつ、親をはやくに亡くした少女への寄り添い、それらを普段2話構成のでこぼこ魔女が30分をかけて描くに値する回となっており、でこぼこ魔女をみてきた視聴者に明確にテーマと作品の空気を感じさせる回となっている。

 今年「冰剣の魔術師が世界を統べる」も手掛けたたかたまさひろ監督の脚本演出回として非常に印象的な回となっており、冰剣が作品のあらゆる要素全体で視聴者を楽しませたアニメであるならば、でこぼこ魔女はそれぞれの単話ごとのテンポや楽しさで視聴者を楽しませる意味でそれぞれ違った形でアニメのポテンシャルを出し切ったアニメであると感じさせるものとなっている。

 

川越ボーイズ・シング 7話「松ぼっくり

脚本:川越学園文芸部 コンテ:松本淳、室谷靖 演出:日巻裕二

「あなたの音符が奏でられるのを待っている。」

 

 クラシックの指揮者をクビになり、学生クワイア部を日本一にすることで指揮者に戻れるようにしてもらうことを条件にクワイア部の顧問を任された主人公「響春男」がクワイア部の学生たちと共に成長していく(?)物語。

 アニメとしては非常に独特の空気感があり、あまり作劇において「歌が上手くなったりする成長」がストーリーのメインに組まれてないの特徴的。

 高校生の様々な悩みがある日常や、クワイア部という居場所で変わっていくもの等、春男と共に音楽が日常に入り込んだことで少しだけ変わっていくものが描かれていく。

 合唱という少々地味な要素ながら、そのテーマが常に中心という感じはしないのに何故か物語がクワイア部という居場所でまとまっていく。バラバラだった要素が合唱という形で一つになっていく。それが確かに感じられるアニメである。

 

 かなりこの作品の空気感を口で表すのは難しいが、しかし強烈な魅力があり、それが爆発する瞬間や積み重ねが猛烈に美しく見える気持ちの良い怪作といえる。

 7話はこの作品におけるテーマが非常にセリフで象徴的に表現されてる作品と言える回で、春男のクワイア部に対するパーソナリティ的な部分に踏み込んだものといえる。

 仮に川越ボーイズ・シングを見ていく場合、この回をある種の指標的に見ていくと他の回への見方も変わるかもしれない。また、この回以外もどれも非常に素晴らしい回となっており、是非興味を持った人は見てほしい作品。

 ただ惜しむべくはこのアニメがBDの販売が中止となり、2023年内に最終回を放送できなかったことに尽きる。

 単体話だけでなく、2023年秋を代表するオリジナルアニメとして1作オススメだ。

 

攻略うぉんてっど~異世界救います!?~ 12話 「最終章 ノアを救う」

「私は2年前ライライン様に忠告したんだ。全ての希望を得体のしれない救世主に任せちゃダメだって。」

 

 中国のbilibiliで製作されたCGアニメーション作品。ゲームの異世界に転生した主人公のイノーが、異世界で出会ったかつての教え子エンヤァと共にゲームをクリアし現世に戻るため冒険する物語。

 ゲームのメタネタ的な部分が非常に多く盛り込まれており、ゲームについて知っている人だとニヤリとする描写が多く また、ストーリーもそういったゲームのメタネタ的な部分が組み込まれている。

 アニメ自体がゲーム的なトゥーンレンダリングで描かれているのも印象的であり、とにかくゲームへの造詣が深い作品であり、そのあたりのネタの取り回しが非常に上手なのが印象的。

 EDの映像なども作中のストーリーのある部分とリンクしており、意味が分かると結構感動する形となっている。

 また、最終回の構成も中々挑戦的で、エンヤァが実際に作成された鬼畜ゲームをクリアするのを描く構造になっており この作品が描いてきたゲームネタがある種付き詰まったものとなっていると言える。

 近年多くなっているそういったゲームネタ作品としては作品全体としてそれを強く意識した作品というのはある種特殊であり、またイノーとエンヤァでゲームを楽しむ態度が違っている部分もゲームというコンテンツを多面的に描いているといえる。

 終わり方などの良さも含めて単話として最終回をチョイス。

 

まとめ

 なんだかんだ今年も面白いアニメが多かったですが、今年は個人的に単純に「面白い」とは違うアニメともまあまあ出会えたのが良かったところかなと思ってます。

 ものによってはあんまり出来がいいとは言えなかったり、また何でこんなことになっちゃってるんだろうみたいなアニメもそれなりにあったのだけど、それでもそういうアニメが存在し、また出会えるということは非常に貴重。

 こういう10選や例の評価されるべきアニメなどではそういうアニメはピックアップしにくく、また自分でもどうやってそういうアニメを話題に上げるかという意味では結構なやましいのだけど、そういったアニメがあったこともまた2023年だったということで包括していきたい思いです。

 2023年のアニメを作ってくれたすべての人にありがとう!